サンタクロースって本当にいるの?
今年も残すところあと一月、12月には年末の大きなイベントである、子どもらが待ちに待ったクリスマスが近づいてくる。
そういえば、子どもらがサンタクロースを信じて疑わなかったのは、果たして何歳くらいまでだったのだろうか?
因みに我が家では、サンタクロースがプレゼントを持ってきてくれるのは小学生までだと子どもらには教えていた。なので、中学生の頃には「サンタ=僕」だったことはわかっていたはずだが、じゃあ何歳まで信じていたのだろうか?
僕自身の実体験では、僕がその事実を知ったのは、小学校5年生だったかな。
クリスマスイブのその夜に、深夜にふと目を覚ました僕は、枕元にこっそりとプレゼントを置く親父の姿に目を疑った。
え?
えー?
なんで?
なんでー?
サンタは?
サンタはー?
サンタさんはどこー?
その頃、僕はまだ純粋で、マジでサンタクロースを信じて疑ってなかったから、その時のショックは計り知れないものだったが、サンタに扮した親父に気付かれないように、寝ているふりをしてその場を過ごした。
サンタクロースの正体が親父だった事実を知ったショックでその晩は一睡もできなかったことを今でも覚えている。
が、翌朝、枕元にある親父からのプレゼントをサンタさんが届けてくれたと、アカデミー賞の最優秀主演男優賞の受賞候補並みの名演技で喜んで見せた。
下に妹や弟がいた手前、サンタクロースが親父であることの事実を彼らに悟らせないためだ。
まだ彼らはサンタクロースを信じている。
だめだ、妹や弟の夢を奪っちゃいけない。
この事実を僕は隠し通さなければならない。
彼らがこの事実を知るにはまだ幼過ぎる。
この事実の隠ぺいは兄としての役目だ!
というのが、僕がサンタクロースの正体を知った小学5年生の時のクリスマスの朝だった。
僕の場合はそんな感じだったが、さて、僕の子どもらはどうだっただろうか?
小学校低学年の頃までは、確かに信じていたに違いないが、いつ頃「サンタ=僕」の真実を知ってしまったのだろうか?
子どもらに聞いてみても、
「小学校の2年か3年生の頃じゃないかな」
と答えが返ってくるが、実際の事実を知った年齢は不明だ。
そして、どうやらその真実を知るのは、学校での友達からの情報によるものらしいのだ。
「クラスの友達が教えてくれたんだよね」
「父にだまされてたー、とか思ったよ」
だましたとか言わないで欲しいな。
子どもらの大切な夢を壊さず崩さず潰さず、せっせと十数年間も育ててきたんだから、だまされた―とか言うなよな。
この記事を読まれている皆さんはいつまでサンタクロースを信じていましたか?
そして幾つまでお子さん をだまして にサンタを信じさせることが出来ましたか?
サンタクロースへリクエストが出来るようになったのはいつから?
ところで、いまの子ども達ってサンタクロースに自分の欲しいものをプレゼントにリクエストしますよね。僕の子どもらもサンタさんにリクエストしてました。
でも、いつからサンタクロースへプレゼントのリクエストすることが出来るようになったのでしょう?
僕の記憶が正しければ、僕が子どもの頃は、サンタクロースに欲しいものをリクエストなんて出来なかったはずだ。
欲しいものをリクエストするなんて贅沢なことより、サンタさんががプレゼントを届けてくれるのか、届けてくれないのか、まずは、そこが問題だったはずだ。
まあ確かに、リクエストがあった方が、子どもらがもらって嬉しい、喜んでくれるプレゼントを贈れるので、サンタに扮する親としても楽なんですよね。
たぶん、子ども達に喜んで欲しいという親心とプレゼントを考える手間が省けるという怠け心が、リクエストというスタイルを生み出したのかも知れません。
プレゼントのリクエストに応えるのも一苦労する。
子どもらからのリクエストで、プレゼントを選ぶ手間が省けたサンタに扮する親ですが、そのリクエストに応えるのも意外に苦労するものです。

とてつもなく高価なものをリクエストする場合もあるし、なかなか手に入れられないものをリクエストする場合もありますから。
それでも、プレゼントを届けてくれるのはあくまでもサンタクロースです。
彼の名を騙る以上は、リクエストに応えられず彼の名を汚すわけにはいけないのです。
クリスマスのプレゼントリクエスト制の裏には、そんな危険も潜んでいる。
この写真は、僕の娘の桜が確か小学校の低学年の頃にサンタさんへリクエストした手紙だ。
ほわい?
なぜチャイナドレス?
クリスマスが近づく前に、それとなく事前にリサーチはしていた。
僕がその頃住んでいた場所は、かなり田舎で、子どもの玩具を扱う店もそんなに多くはない。ネットで探して購入するにしても、配送に時間が掛かるようなところだったので、事前リサーチで、クリスマスに購入が間に合うか調べておく必要があった。
事前リサーチと全く違うものがリクエストされていた。
確か、事前リサーチでは、「美少女戦士セーラームーン」の何とかスティックだったはずなのに!
焦ったよ。
僕の住んでいる街にある洋服店では全く取り扱っていないものだった。
商店街の取り扱っていそうな洋品店にかたっぱしから確認したけれど、全滅だった。
娘にどうしてチャイナドレスにしたのか聞いてきた。
すると、
「だって玩具はお店に売ってるから、ちちに誕生日に買ってもらえるけど」
「チャイナドレスはどこのお店にも売ってなかったからサンタさんにお願いすることにしたの」
そんな返事が返ってきた。
娘は信じている。サンタさんを信じている。これは裏切れない。
サンタさんの名を騙る以上、プレゼントがなかったとか言い訳は出来ない。
リクエストと違うものを贈ってごまかすわけにはいかない。
子どもらにとってサンタクロースは全能な存在なのだ。
慌ててネットショップで探してみるとチャイナドレスは見つけることができた。
だが、
当時僕の住んでいたところは田舎。
今と違って、配送には1週間から10日の期間がかかってしまうところだった。
間に合わない。どうしよう。焦りまくった。
サンタさんの名を汚すわけにはいかないし、それよりも何よりも、サンタさんを信じている子どもらに残念な思いをさせるわけにはいかなかった。
仕事休んで、飛行機乗って買いに行くか?
日帰りで何とか帰ってこれるか?
サンタクロースの名誉を守るため、子どもらの夢を守るため僕は必死だった。
親の嘘が子どもらのサンタクロースを信じる心をつくる。
子どもらのリクエストに応えるのは、意外に苦労を伴うものですが、そんな一苦労があるからこそ、子どもらがサンタさんを信じる時間を持つことが出来るんだと思います。
子どもらの喜ぶ顔が見たいその一心です。
そしていつまで子どもらにサンタクロースを信じさせることが出来るのか、いつまで子どもらをだまし続けることが出来るのか。
嘘をついてはいけません、人を騙してはいけませんって子どもらに教えながら、恥も外聞もなく子どもらに嘘つきまくって、子どもらを騙しまくっている僕は悪い大人ですね。
クリスマスってそんな矛盾の中に繰り広げられる楽しいイベントでもあります。
子どもらが、サンタさんが親であった事実を知るときは、間違いなく残念な気分になるかもしれません。でも、それから10年くらいすると、再びサンタさんを信じるようになるときがきます。
そうです。
「恋人がサンタクロース」
そして、それから更に10年ほどすると、きっと子どもらが親となってサンタクロースに扮する日が来るはずなのです。
そのとき彼ら彼女らはどんなリクエストを子どもらから受けるのだろうか?
僕らが必死で子どもらに嘘をつき続けた理由を、子どもらを騙し続けていた理由を、きっとわかるようになるんだろう。
サンタさんの名を汚さないように。
子どもらの喜ぶあの笑顔を絶やさないために。
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