サンタクロースは苦労するのです。
もうすぐクリスマスがやってきますね。
巷にはこっそりとサンタクロースに扮するパパさんやママさんが出没する季節となります。
子ども達にプレゼントを届けるために活躍するパパママサンタが届けているのは、実はプレゼントではなく、子ども達の夢を届けているのだと思います。
「嘘をついてはいけません」
「人を騙してはいけません」
子ども達をそんなふううに躾ながらも、子ども達のためという大義名分で、この時期、巷には、嘘つきまくりで子ども達を騙す悪い大人がわんさか現れるのです。
もちろん僕もその中の一人でした。
クリスマスってそんな矛盾の中にあるものだと思ったりします。
まあ、そんな堅い話しは置いといて、
子ども達の喜ぶ笑顔のために 嘘をつく 頑張るパパさんママさんですが、子ども達のクリスマスプレゼントを用意するのって、意外に苦労しませんか?
そうなんです。
サンタクロースの名を騙る以上、子ども達の夢を壊してはいけません。
子ども達からのサンタクロースに対するリクエストには、必ず応えなければならないという非常にやっかいな条件をクリアする必要があるわけです。
子ども達にとって万能であるサンタクロースの名を汚してはいけないのです。
子ども達がサンタクロースにリクエストするものとは?
最近の子ども達は欲しいものをサンタクロースにリクエストできますよね?
僕らが幼い頃は、リクエストだなんてそんな贅沢なことはいえませんでした。下手したらプレゼントがもらえない場合だってあったのですから。
クリスマスが近づいてくると、
「悪い子のところにはサンタさん来ないよ」
そんな呪文を親が唱え始めるのです。
そんな呪文が耳に入るものだから、サンタさんからのプレゼントを手に入れるために、僕らは世の子ども達は11月後半から、みんないい子に変身しようと努力していたのです。
まあ、そんな昔話しは置いといて、
ところで、子ども達のサンタさんへのリクエストって、少しハードル高くないですか?
定番の玩具など、すぐにでも購入できるものなら何の問題もないのですが、意外に子ども達からのリクエストは、手厳しいものがあります。
たとえば、
普段は買ってもらえないような高価なもの。
これは親にはおねだりしても買ってもらえないのがわかっているから、親ではなくサンタさんにおねだりしちゃうというパターンです。
「そんな高価なものサンタさんにも無理だよ」と、子ども達を上手く ごまかす 説き伏せるのには大変苦労するわけです。
なかなか手に入らないレアもの。
売り切れが続出しているゲームであったり、廃版になって、手に入れることができないものやどこにも売っていないようなレアな商品などをリクエストされるパターンです。
これは手に入れるために悪戦苦闘します。本当にどこにも売っていなあい場合はに、どうやって子ども達を ごまかす 納得させようかと苦労しちゃいます。
小学生になる頃には、欲しいものでも、いつでも買えるようなものなら、誕生日に親におねだりすることもできるという、知恵が働いてきます。
上記の2つのパターンの場合などを含め、サンタさんにしかお願い出来ないものをお願いしちゃおうという子ども達のリクエストに応えることは、かなり苦労をするのではないでしょうか?
僕は当時住んでいた田舎街では手に入らないものを娘がサンタクロースにリクエストしてしまったので、手に入れるためにかなり苦労しました。

そんな苦労話しも今ではいい思い出なんですけどね。
子ども達にサンタクロースの存在を信じさせるために。
子ども達も小学校の2年生3年生の頃になると、サンタクロースに疑いを持ち始めます。
どんなに信じている子でも、学校で既に親がサンタクロースだとバレてしまった家庭の友達から、タレコミを受けちゃったりするんですね。
世のパパさんママさんは誰も彼も嘘をつき通しているはずなので、親から子ども達にその事実が漏れることはなく、大概が学校でしかも友達からの情報漏洩により発覚となることが多いのです。
僕の子どももちょうど友達からのタレコミを聞き、我が家のサンタクロースに疑いを持ち始めていた。
サンタとしての僕のプライド。
やばい。息子はサンタを疑い始めている。
僕は彼を小学6年生まで騙し続けたいと思っていた。
まだ3年生のこの時期にバレてしまうことは、サンタに扮する僕のプライドが許さなかった。
その年、息子がリクエストしたものは自転車だった。
僕の家は2階への階段が少し狭くて、途中で曲がっている。
息子からリクエストされた自転車を彼の部屋の枕元に置くにはけっこう手間が掛かる作業だ。
そこで僕は、彼が寝静まった頃に自転車をロープで吊るし、ベランダから2階へと運び入れ、彼のベッドの枕元に置く方法をとったのだ。
クリスマスの朝に目覚めた彼は大喜び。
枕元にまで自転車を持ってこれるなんてサンタさんしかいないと、彼の中のサンタへの疑いは少し払拭されていた。
よし!ダメ出しだ!
喜ぶ息子に、さっそく自転車を外に出してみようと持ち掛けて、階段から自転車を下ろそうとするところで、大芝居を打つ。
無理をすれば下ろせないわけではないが、わざと階段から下ろせないフリをして見せた。
「これじゃ引っかかって下ろせないよ」
「サンタさん一体どこから部屋にはこびいれたんだ?」
そういって、自転車の前輪をいったん外して階段から外に出して見せたのだ。
それを見ていた息子は、もう信じちゃったね。
階段から持ってこれない自転車を枕元に置いておけるなんて、
「やっぱりサンタさんはいる」
っていって大はしゃぎだった。
サンタクロースの名を騙るおやじのプライドが保たれた瞬間だった。
サンタクロースは苦労するけど。
子ども達の笑顔に包まれるから、やめられないんですよね。
子ども達のサンタクロースへのリクエストのハードルは、子ども達の年齢が高くなるにつれ、年々高くなっていきます。
パパさんママさんがどんなに頑張っても、いつかはバレてしまうものです。
親がクリスマスを楽しめるのって、実はそこまでなんですよ。
子ども達の寝顔を眺めながら、目覚めてプレゼントを見つけたときの驚いた顔、喜ぶ顔、大はしゃぎする子ども達の笑顔を思い浮かべながら、こっそりとプレゼントを届けるサンタクロースに扮していた頃が、親として一番嬉しくて楽しかったクリスマスなんです。
嘘をつき続けてでも子ども達の夢を叶えたい、騙し続けてでも子ども達の喜ぶ顔が見たいという自己満足が、僕たち親として味わうことのできるクリスマスなのかも知れません。
子ども達は、小さい頃に味わったそんな聖なる夜の思い出を、今度は自分の子ども達に与え続けていくんだろうね。
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