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心の距離はお互いに縮まっていたけれど、地理的な距離は思いのほか大きかった。

回顧録

僕の告白に疑りの気持ちを抱えつつも、あっさりと返事は返ってきた。

相手のことを何も知らないのに、気持ちが傾いていた僕。
それはかなり不思議なことだった。

変な誤解が解けた僕は、職場の上司や同僚に何人かの女性を紹介をされたこともあったが、そんな感情に傾くようなことはなかった。もしかしたら、ネットで繋がった非現実的な環境や相手を知らないが故の妄想、或いは想像力が彼女(トピ主)を僕の理想に育て上げてしまっていたのかも知れない。

【変な誤解】

離婚した父親が子育てに一所懸命になる姿は、変な誤解を生むから気を付けろ。
僕が離婚したときの友人たちの反応。 僕は離婚したことについて自分からはあまり大っぴらに話すようなことはなかったが、徐々にそれも自然に周囲に周知されていった。 僕の離婚を知った職場の人や友人たちはかなりびっくりしていた。 「何で?」...

 

僕からの突然の告白に暫く彼女(トピ主)からの返信は途絶えた。

ほんの5分から10分くらいだったと思うけれど、僕はその数分間が堪らなく長い時間に感じた。
心臓は高鳴り、僕の血圧は急上昇していたのは間違いなかった。

そして、

 

彼女(トピ主)からの返事が。

 

 

 

もしかしたら、これは夢かも知れない。いや夢なんだ。

彼女(トピ主)から、返事が返ってきた。

「わたしも好きになってきているみたいだよ」

僕は彼女(トピ主)からの返事を何度も何度も読み返した。読み間違いではない。間違いない。
ちゃんと「好きになっている」と書いてある。
どうやら、ずっと交わしてきた会話の中で、お互いに何か引かれ合うものがあったのだ。

 

因みに、このときの僕と彼女(トピ主)とのやり取りは、某ポータルサイトの「メッセンジャー」というツールで行っていました。
今でいうラインのようなものです。

 

それから、俺と彼女(トピ主)との付き合いが始まっていった。

僕は、自分の本名、年齢、所在地、連絡先、職業などなど、今まで伏せておいた自分の個人情報を全て彼女(トピ主)に伝えた。
彼女(トピ主)からも同じように返信があった。これでやっとお互いに、相手の素性を知り合うことが出来たわけだ。

 

夢じゃなかったよ。

 

 

僕と彼女(トピ主)との距離。果たしてこのままでいいのか?

会話の中からお互いに遠距離なんだろうなと察してはいたが、直線距離で1000キロを越える彼女(トピ主)との距離は、付き合っていく上でかなりのネックになることがわかった。

ネットを介した彼女(トピ主)とのデートは毎日続き、夜中の2時、3時くらいまで話し込むこともしばしばだった。話し込むと言ってもメッセンジャーを使っての文字の会話であったが、翌日が休みの日はオールナイトで、ということもあった。
僕も彼女(トピ主)も子供優先という考えは同じだったから、子供らとの日常生活に支障がでるような付き合い方は出来なかったし、しなかった。

彼女(トピ主)との毎日のやり取りは、僕の励みになった。子供たちのことで何か困ったときに相談できる相手が出来たことで、心にも余裕が生まれた。
今まで以上に子供らに優しく接することが出来るようになっていたと思う。

でもそのうち、僕は彼女に対し「悪いな」という気持ちが大きくなってきた。互いに遠く離れて、文字を介しての会話。果たして、このままこの関係を続けていてもいいのかな?

僕は彼女の存在が支えになってくれていたし、十分に満足していたけれど、もしかしたら僕は、自分の自己満足で彼女に無駄な時間を使わせているんじゃないか?
彼女にはもっと身近に相手がいた方がいいんじゃないだろうか?
そう考えるようになってきた。

彼女にだって子供がいる。
それならその子供のためにも将来を見据えた相手を選ばなくてはいけないんじゃないか?
だとしたら、このままではだめじゃないか。こんな関係じゃいけないんじゃないか?

ある日僕は、思い切って彼女に提案してみた。

「ねえ、一度会おうか?」

まだ顔も、声もわからない、そんな相手。
そんな僕に彼女の貴重な時間を費やさせるわけにはいかない。だから、会って、顔をみて、仕草をみて、声を聞いて、話して、実際に僕と会って改めて判断して欲しい。

 

僕と本当に付き合っていくかどうかを。

 

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