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幼稚園に持たせるお弁当作りには、少しだけ苦労しちゃったよ。

回顧録

僕は長男から僕が作るお弁当に対し、クレームを受けてしまった。

子供らの通っていた幼稚園は、火曜日と水曜日と金曜日の週に3日は、お弁当の日となっていて、それ以外の曜日は幼稚園での給食だった。
これはこの幼稚園の方針で、小学校に入れば否が応でも毎日給食となるから、せめて幼稚園に通う間の週3回は子供たちに親の作ったお弁当を味わってもらいたいという考えと、お弁当を通して親子のコミュニケーションを図れるようにという意図があった。

僕は学生時代に自炊もしていたし、料理も嫌いじゃなかったから、子供らの弁当を作ることは全く苦にはならなかったし、それこそ週3日と言わず毎日でも構わないくらいに思っていた。
子供らが使う小さな弁当箱はおにぎりを2つくらいと、おかずを2、3入れてしまえば、それだけでいっぱいになってしまう。
昨晩の夕食のおかずの残りや朝食に作ったおかずの残りを詰めてしまえば、難なくお弁当は完成してしまう。だから朝の弁当を作る作業は、僕には朝食準備の延長でしかなかった。

ところがある日、長男の幹から僕の作るお弁当にクレームが出された。

幹は僕の作ったお弁当を毎回残さずしっかりと食べてくれていたし、僕がお弁当箱を洗っているときに必ず、美味しかったよと言葉も掛けてくれていた。
僕の作るお弁当に何の不満はないものだと思っていた。

「おーさんのおべんとうは、おいしいけど」
「おともだちがね、えがついてないっていうんだよ」

「絵が付いてない?」

そうなのだ。
確かに僕の作るお弁当は彩りに欠けていた。
そしてその当時はキャラ弁が、はやり始めた次期でもあった。

幹の幼稚園では、お友達のお母さん方が手によりを掛けて、見事なキャラクター弁当を作り、その仕上がり争っていたようだった。子供にとって見た目の華やかなお弁当は、自慢にもなるんだろう。

俗にいうキャラ弁戦争の真っただ中、そんな時代だったのだ。

 

子供らの弁当は、ただお腹を満たせばよいだけのものではなくなっていた。

 

 

負けじと僕もキャラ弁づくりに奔走する。

幹からのお弁当のクレームを受けた僕は、少し焦ってしまった。今までキャラ弁なんて作ったことはない。
しかも、そんなキャラ弁初心者の僕が、そのスペシャリストでもある幼稚園のお母さん方と勝負をしなくてはならないとは。(いや、勝負しなくてもいいのですが)

僕は職場で、女性陣の何人かにキャラ弁づくりの相談をしてみた。
どんな風なお弁当を作ればいいのかとか、どれくらいのクオリティが必要なのかとか。

職場の女性陣は、キャラ弁ごときに悩んでいる僕を笑いのネタにしてくれたが、それでも親身になって、色々とご教授してくれた。
こんなキャラクターが喜ばれるとか、男の子ならこういうお弁当にしたらいいよとか、こんな風に作れば簡単だだよとか、ね。

僕はまず、いきなりキャラクター弁当に挑戦するんじゃなく、簡単に作れるような、かわいいお弁当作りから始める方が良いとの結論に達した。

僕が最初にやってみたのは、「おにぎりをサッカーボールにしてみる」ことだ。
これはおにぎりに巻くのりを小さな5角形に切ってストックしておけば、丸く握ったおにぎりに張り付けるだけで、それらしくなる。
簡単だし、お弁当の見た目がグッとかわいくなって、それだけで、

 

何よりも、幹がすごく喜んでくれた。

 

 

子供たちのためのお弁当は美味しいだけじゃだめなんだね。

それから、僕のキャラ弁の腕前も上達した。
「アンパンマン」とか「たれぱんだ」とか「ウルトラマン」や「仮面ライダー」と言った定番のキャラクターのキャラ弁も作れるようになった。

それでも、他のお母さん方が作ったキャラ弁のクオリティの高さには全く敵わなかったけどね。
けれど、ただ美味しくお腹が満たされればいいと思っていた子供のお弁当一つに、見た目の楽しさを加えて、美味しいだけじゃなく、楽しく食べさせようとしているお母さん方の努力には頭が下がる思いだった。

僕は幹の幼稚園のキャラ弁戦争に参戦することで、子供らにとってのお弁当が、美味しや満腹感だけを満たすだけじゃなく、お友達とお互いのお弁当を見せ合いながら、楽しく食べれることも大事なんだって気付かさせられた。

でも、あまりキャラ弁戦争が過激化するのも考えものだ。

お友達の中にはご両親が多忙で、そんなお弁当を作ってもらえない子供らだってもちろんいるわけだ。
弁当だけに限らず、何ごともほどほどにした方がいいのだろう。

キャラ弁でもキャラ弁でなくても、

 

幹がお弁当を残さず、きれいに食べてくれることが、僕には何よりも嬉しかった。

 

 

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